日常のこと、アニメ感想、ネタなど。
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昨日、夕方の忍たまで「利吉さんが仕事中のランチタイムにおばちゃんの豆腐料理を食べに来る」という話をやってましたが、夜(昼にもやってるみたいですがこっちは見れません…)の子供駅でも「利吉さんが仕事を抜け出しておばちゃんのうどんを食べに来る」という話をやってました。なんだ、利吉はおばちゃんの手料理のことばっかり考えて仕事してるのか(笑)
そのミニ利吉祭りとは関係ないのですが、今回は小松田さんから利吉さんへということで、バレンタインネタいきます。
断っておきますが、私は利こまの人ではありません。利吉はともかく小松田はそんなに好きじゃないし(もちろん嫌いじゃないけど)。ただこの二人は、取り合わせとしては凄く面白い二人だなあと思います。
忍者として超優秀、学もあり才能もあり何一つとして小松田に劣っているところはないんだけれど、唯一つ、田舎育ちなことに引け目を感じている利吉。一方、小松田は忍者として無能で、ぼんやりしてミスばっかりして人のよさしか取柄がないのに、ただ都生まれ都育ちというだけで、立ち居振る舞いや言葉遣いに洗練がある。
利吉がどんなに努力してもなかなか得られないものを、当然のように持っている小松田。
そりゃあ利吉さん苛つくよなあ……。自分が得られないものを持ってるのに、それ以外の点ではまるで無能ときたら。まあもともと努力型エリートの利吉さんからすれば、無能な人っていうのは軽蔑の対象でしかないんだろうけど、でも相手が自分に持ってないものを持ってて、それが羨ましくて無視することも出来ないとあれば。うわあ、ストレス溜まりそうな組合せだな^^;;
でもそれは利吉から見た場合であって。小松田さんは別に利吉のコンプレックスに気付いたり気を遣ったりはしないんだろうし、普通の知り合いとして利吉さんのことが好きだろうなあ。
まあ、そんなこんなで小松田さんから利吉さんへ、チョコレート渡します。追記からどうぞ。
そのミニ利吉祭りとは関係ないのですが、今回は小松田さんから利吉さんへということで、バレンタインネタいきます。
断っておきますが、私は利こまの人ではありません。利吉はともかく小松田はそんなに好きじゃないし(もちろん嫌いじゃないけど)。ただこの二人は、取り合わせとしては凄く面白い二人だなあと思います。
忍者として超優秀、学もあり才能もあり何一つとして小松田に劣っているところはないんだけれど、唯一つ、田舎育ちなことに引け目を感じている利吉。一方、小松田は忍者として無能で、ぼんやりしてミスばっかりして人のよさしか取柄がないのに、ただ都生まれ都育ちというだけで、立ち居振る舞いや言葉遣いに洗練がある。
利吉がどんなに努力してもなかなか得られないものを、当然のように持っている小松田。
そりゃあ利吉さん苛つくよなあ……。自分が得られないものを持ってるのに、それ以外の点ではまるで無能ときたら。まあもともと努力型エリートの利吉さんからすれば、無能な人っていうのは軽蔑の対象でしかないんだろうけど、でも相手が自分に持ってないものを持ってて、それが羨ましくて無視することも出来ないとあれば。うわあ、ストレス溜まりそうな組合せだな^^;;
でもそれは利吉から見た場合であって。小松田さんは別に利吉のコンプレックスに気付いたり気を遣ったりはしないんだろうし、普通の知り合いとして利吉さんのことが好きだろうなあ。
まあ、そんなこんなで小松田さんから利吉さんへ、チョコレート渡します。追記からどうぞ。
「じゃあ、ここにお名前をお願いしますね」
「はいはい」
山田利吉は疲れたような表情で、事務員から入門票を受け取った。
ここ数日、矢のような催促で帰郷を迫られた。『一瞬でもいいから帰って来い』との命令に、何か困ったことでも起こったのかと仕事を繰り上げて帰ってみれば、何のことはない。単身赴任中の父親に渡す荷物を預かっただけだった。
しかし、その荷物は必ず今日中に渡せということ。簡単な事でしょ、と言われれば返す言葉もない。今抱えている仕事や他にも頼まれている急ぎの仕事のことを思い浮かべつつ、仕方なく請け負った。
そして、一日早いけど、と自分にも渡された荷物。……本当に、あの母親には敵わない。
「これでいいかな」
ともあれ、さっさと片付けてしまうに限る。名前を書いた入門票を目の前の事務員に渡すと、利吉はすぐに門を潜ろうとした。
「あ、待ってください」
すると、事務員が引きとめた。ちゃんと入門票は記載した筈だと振り向けば、何やら緋色の風呂敷に包まれた荷物を差し出された。
「……何だこれは」
「何って、チョコレートですよ。今日14日じゃないですか」
それを聞いて、利吉の頬が引きつった。
そう、母親から預かった荷物もまさにそれ。バレンタインとかいう日に渡すチョコレートなる代物であった。
父より一足先にもらった甘い菓子を思い出して、利吉は溜息をついた。この忙しい折に世間というのは一体。なんだかもう、抗うのも虚しい気がする。
「ありがとう。義理でも嬉しいよ」
突き返す気力もなく受け取った利吉に、しかし小松田は不満げに口を尖らせた。
「違いますよぉ。義理なんかじゃありませんっ」
子供のようにぷっと膨らませた頬は、紅をさしたように赤くて。自分を見上げてくる目は、あくまでも真っ直ぐで、真剣ながらどこか潤いを帯びて。
バレンタインというのは、想い人に気持ちを込めてチョコレートを贈る日だ。そういう基本的なところに、利吉はふと立ち返った。
義理ではないということは。このチョコレートに込められた想いは。
これまで幾度となくこの事務員には苛々させられてきたが、本来は純粋で一途な青年だと知っている。その純粋で一途な気持ちが自分に向けられているのなら。
「義理チョコなんかじゃなくってぇ……」
頬を染めた小松田は、そっと目を伏せる。恥らうようなその仕草に、初めて利吉は、小松田のことを可愛いかもしれないと思った。
と、次の瞬間、小松田はにっこり笑いながら勢いよく人差し指を立てた。
「友チョコでぇす!」
すってーん。
ずっこけた。これ以上はないというくらい、利吉は派手にずっこけた。
「……い・つ・か・ら、君と私は友達になったんだっ!」
しかしすぐさま立ち直ると、拳固でぐりぐりと小松田のこめかみを押す。
「痛い、痛いですってば利吉さぁん!」
「ふんっ」
手を離すと勢いよく踵を返す。教員長屋へ足早に歩きながら利吉は思った。さっさと請け負った荷物を父に渡して、早いこと学園を去ろう。仕事をするのだ。自分にはこなすべき仕事が待っている。
その手にはしっかり緋色の風呂敷包みが握られていて、結局それを受け取ってしまったことに気付いたのは、父の前に出てからのことであった。
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