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ご無沙汰してますvv
……日記サボって一生懸命、双忍サンドを書いてるんですが、これがなかなか進まなくて><
いや、まとまった時間が取れないのが最大の難点なんですけどねー……。
この前、不意に時間があったので、忍たま見ました。
「陰の存在の段」、これ見たら、いきなり思いついちゃってvv
という訳で、長伊です。
……よく考えたら、長伊って書くの初めてじゃないだろうか。
六年×伊作の一部分とかじゃなく、ちゃんとした長伊って初めてかもしれないvv
本当に、オリンポスの祭典において、こんなことをやってたかどうかは知りません。
意外と長次の捏造かも^^;;
うん、意外と長次もいけいけどんどんなところがあると思う。
留三郎みたいに、いつしか同室者の影響を受けてるのかもしれませんねvv
という訳で、長伊です。良かったら追記からどうぞvv
あと、拍手くださったみなさま、ありがとうございました!
もう一息ですので、頑張ります!!
「あ、長次」
渡り廊下に足を踏み入れた時、前方の廊下で誰かが振り向いた。背中に風呂敷包みを背負って、落とし紙の束を前に抱えたその人は、とたとたと小走りにこちらへやってきた。
「聞いたよー。忍術大会で優勝したんだってね。おめでとう!」
にっこりと笑った顔は、薄暗い廊下にそこだけ灯がともったようだった。明るい笑顔に、しばし目を細める。
「長次?」
意外と長く続いた沈黙を不審に思ったか、伊作が顔をのぞきこんできた。
「なんだかあんまり、嬉しそうじゃないね」
「……遠く南蛮のおりんぽすの祭典においては、優勝者は、乙女による祝福を受けるらしい」
しばしの沈黙を経て、長次がその重い口を開いた。
「ふうん、そうなんだ」
聞いたことのない単語に、伊作はただ、首を傾けるばかり。 その伊作に向けて、長次が不意に手を伸ばした。
「な、何?」
がっしりとした長次の両手が、伊作の両方の肩を掴んだ。前に落とし紙を抱えたまま、これで伊作は身動き出来ない。
「祝福を」
「……ぼ、僕、乙女じゃないけど、いいの?」
むしろ伊作がいい、伊作でなければ嫌だ。そんな思いを込めて、長次は深く頷く。 その表情に、肩に乗せられた手の重みに、相手の真剣さが良く分かる。冗談でふざけたりする奴ではないのだ。どうすればいいか分からないけれど、忍術大会で頑張った朋輩をねぎらってあげたい気持ちはある。伊作は心を決めた。
「分かった。……で、具体的に、何をすればいい?」
「目を閉じろ」
「こう……?」
切れ長の大きな目を閉じれば、途端にあどけない、無防備な表情になる。ずっと見守っていたい気持ちを抑えて、長次はその顔に自分の顔を近づけた。
鼻と鼻が衝突せぬように軽く顔を傾けると、その唇に唇を触れさせる。
そのまま小さく息を吸い、唇で唇をはむ。軽く唇を吸う。ちゅ、と小さく音を立てると、ようやく伊作の唇を解放した。
「ちょ、長次……!」
ばさばさばさっ、と大きな音を立てて、伊作の腕から紙がばらまかれた。何かの拍子に、まとめていた落とし紙がばらけてしまったらしい。
伊作はしかしそんな事には気づかず、ただ真っ赤な顔をして、口を押さえていた。
「しゅ、しゅく、祝福って、本当にこんなことなの!?」
「文献によれば、そうらしい」
冷静に答えると、長次は伊作の肩から手を外した。その場にしゃがんで、散らばった紙を拾い始める。
「南蛮人って、信じらんない……!」
叫ぶなり、伊作は走り出した。廊下の奥、今来たばかり方角に向かって。途中見事にすってーんと音を立てて転んだが、長次が助けに行くまでもなく、自力で立ち上がるとまた走り出した。長次はそれを見送ると、その場に散らばった落とし紙全てを拾い終えると、端をそろえ、きれいに束ねた。
これは医務室に届けておくとして、伊作は自分をどう思っただろうか。あの赤い顔には、羞恥はあっても、嫌悪はなかった気がする。その真っ赤に照れた顔を思い出して、長次は心の中で笑みを浮かべた。
その夕方、長次の固く結ばれた口元を見て、その人となりをあまり知らない下級生は「中在家先輩、大会で優勝したのになんであんなに不機嫌なんだ……?」と、恐れた。長次をよく知る者たちは「長次の奴、やけにご機嫌だな。優勝がそんなに嬉しかったのか」とその栄誉を褒め称えた。